チームで迎えた創業20年。アピッシュが実践した3つのマネジメント改革とは(前編) - tredina(トレディナ)

チームで迎えた創業20年。アピッシュが実践した3つのマネジメント改革とは(前編)

チームで迎えた創業20年。アピッシュが実践した3つのマネジメント改革とは(前編)

今年創業20周年を迎えた「apish(アピッシュ)」と「tredina(トレディナ)」が、2018年9月11日(火)に特別セミナーを開催。ゲストには代表を務める網野一廣さんとスタイリスト樋口いづみさんをお迎えして『経営マネジメントとサロン市場の今』をテーマに、同サロンの経営ノウハウを惜しみなく語っていただきました。その様子を完全レポート!

時代とともにスタッフの育成や集客方法など、経営ノウハウが目まぐるしく変化する美容サロン業界。今回は「apish(アピッシュ)」代表の網野一廣さんと、スタイリスト樋口いづみさんが同サロンで蓄積したデータをもとに、今の時代に沿った経営マネジメントについて成功の秘訣をレクチャー。明日から使えるメソッドを紹介します。

少子化に伴うサロン市場の未来を読み解く

20年後のヘアサロン生存率はたったの0.3%

20年以上経営を続けられるサロンは1000軒のうち、たった3軒といわれる厳しい業界で、今年節目となる創業20周年を迎えた「apish」。代表を務める網野一廣さんは、サロンワークの傍ら時代の変革に合わせて社長とタッグを組みながら経営に多くの仕掛けと改革をもたらした一人だ。
1998年といえば長野オリンピックが開催された年だが、その頃と今を比べてみると時代は大きな変遷を遂げている。サロン経営についても先の時代を読み解きながら分析していく必要があるという。

網野さん(以下網野):もっとも懸念されるのは少子化ですね。地方はもとより、東京都も2025年以降、人口減少の一途を辿ることになります。人手が不足するなかで介護やインフラ整備にかかる税金負担が増えていくのも確実です。
また、寿命100歳時代を迎えることで80歳以降が高齢者という位置付けになるでしょう。それまでは元気で働くことを求められることになります。ビジネスにおいては勝ち負けではなく“生きるか死ぬか”といった厳しい時代になります。日本の未来を踏まえると長く続くサロンにはやはり優秀な人材が必要。だからこそ職場環境を見直す、つまり離職率の低いサロンをつくることが重要と考えました。

職人の病を払拭する「イタリア理論」

創業したてのアピッシュは、オーナーが売り上げの大半を占めていたと、当時を振り返る網野さん。そこで3店舗目を出店したときにオーナーがその場にいなくとも店舗経営が回るよう組織を再構築したのだとか。それがサロンの提唱する『イタリア理論』だ。

網野:サロンオーナーの殆どがスタイリスト、つまりカットが大好きでお客様の笑顔を引き出したいという職人気質をベースに持っているんです。でも、自分とビジネスが一体化してしまうと育成にまで手が回りきらないので結局自分に負荷がかかってしまう。
そこで思い浮かべてほしいのがハイブランドの組織体制です。経営陣にマネージャー、セールス、マーケティング、そして良いものを作り出す職人。異なる才能を持った人材が、それぞれの分野でそのスキルを発揮することで、チームとしての力を高めることに注力しました。

『夢確認書』で高めたチームの力

スタッフが増えていくにつれ、コミュニケーションを密にすることが難しくなるというのはどの業界にも通ずるもの。けれどもアピッシュでは、チームビルディングを行ううえで3つのことを実践したという。

経営理念を共有するバイブル

網野:まずは経営理念をしっかり持つことです。社会に向けてどう貢献したいのか、そして数年後サロンはどのような姿でありたいのか。ビジョンを持たないと時代の荒波やトラブルにぶつかったときに間違った方向に舵をきってしまう可能性が高くなります。でもそれをオーナーだけが念じていてもダメ。それを共有するためにつくったのが『夢確認書』なんです。

網野:オリジナルの『夢確認書』はオーナーの理念などが記載されている書き込み式の冊子です。アピッシュでいうところのバイブルです。迷ったときには必ず読み返せるようになっているので意思統一をできるようになりました。多くのサロンがこの方法を知って採用し、黒字に転じたという嬉しい報告をたくさん頂いています。

各々の得意分野にあわせたキャリアプランを形成

網野:そして最後に、組織体制です。殆どサロンは売り上げがトップ=店長といった図式で成り立っています。要はトップセールスマンが社長になるイメージですが、そうするとマネジメントを理解していないのでどうしても自己流の独裁体制になってしまう。
アピッシュでは、デビューしてある程度の実力と実績を積んだら自分のキャリアプランを設計して貰います。つまり、ハサミ1本でやっていく職人肌は外部講師や撮影現場を仕切るディレクターの道へ。人をまとめることに長けている場合は経営や財務管理等の業務のウエイトを増やしていきます。何を目指すべきかを明確にすることで離職率がぐっと減りました。

ママスタイリストでも活躍できるサロンづくりを

前述した少子化をはじめとする社会問題に沿うためにもうひとつ注力したのが、女性スタイリストの活躍の場を提供することだ。同サロンでは出産を経験した9名の女性スタッフ全員が、産休を経てママスタイリストとして活躍している。その前例をつくった樋口いづみさんは網野さんと共に、ママならではのタイムマネジメント法を編み出したという。

原宿初のママスタイリスト

樋口さん(以下樋口):10年前に出産した際は、初めての事ということもあり自分も周りも働き方を模索していました。現在は16時までの勤務ですが、その分子供との時間がひと段落したら自宅でのプレスマネジメント業務やスタイリストの育成法の構築、セミナーの準備を行っています。
自宅にいてもサロンに貢献できる業務はいくらでもあると気づいてからは経営面でも積極的に動くようになりました。もちろんサロンにいる時間は減りましたが、工夫さえすれば生産性はいくらでもあげられると、今では確信しています。

樋口:もっとも大切なのは、自分ひとりで考えずにチームで考えることです。サロン勤務が短い分、スタッフとの会話を積極的に行ったり、夜の練習会を朝にできないかとチームに打診したりもします。そしてそれを受け入れてくれる周りの環境にも感謝しています。その分、私自身も子供の体調管理を徹底して、お客様との時間を大切にするようにしています。
女性スタイリストは家庭環境を理由に諦めず、工夫してとにかく仕事を続けてみること。そしてチーム側は、柔軟に受け入れることが必要だと思います。

網野:樋口の言う通りで、特に店長は自身が手を動かすことよりも、スタッフが気持ちよく働いてもらう環境づくりを行うのが務め。これから人手が減っていくなかで中堅女性スタイリストの活躍なしに業界の発展は望めません。

網野:チームとは、ゴールを達成するために作られた協力して行動する集団のこと。その結束を強固にするために現在、週1回の店長MTG、幹部MTG、そして月1回の幹部勉強会を行っています。1人の100歩より100人の1歩を大切にしながら、サロンの経営を考えることが重要でしょう。


…後編は網野さんと樋口さんによる集客と単価アップの秘策についてレポートします。

プロフィール

スタイリスト情報

代表 網野一廣
トップスタイリスト 樋口いづみ

サロン情報

サロン名:apish ginZa【アピッシュギンザ】
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座5-3-13 GINZA SS 85ビル3F

アプリでかんたんサロン集客

この記事が気にいったら
いいねしよう♥

or

twitter、Instagramもチェック!

オンラインワークショップ
Twitter、Instagramも更新中!